「バウンド:王国の欠片」美しいグラフィックで優雅な動きに酔いしれる・・・!

総評価:
酔いにくさ:
アクション性:

価格:2,160円(税込)[DL版のみ]
発売日:2016年08月16日
発売元:SIE

VR対応

まずはこのVRゲームのトレーラーをご覧ください!

 

バウンド:王国の欠片ってどんなVRゲーム?


バウンド:王国の欠片は妊婦が主人公という、

ゲームの中でも一際変わったキャラクターが主人公の

アクションアドベンチャーゲームです。

 

妊婦が主人公、と言っても膨らんだお腹を抱えて子供を守るように動き回るわけではありません。

本作の主人公は、プロのバレエダンサーの動きをモーションキャプチャした、

圧倒的優雅な動きが特徴的です。

 

本作の冒険の目的は、妊婦である主人公が幼い頃に抱えたトラウマと向き合い、克服していくこと。

そのため、自身の内面世界の中でトラウマと戦わなければなりません。

 

そこで内面世界ではトラウマが様々なオブジェクトとなって主人公に襲い掛かるため、

それを避けながら進んでいくアクションVRゲームなのです。

 

素早いステップやダンスを用いて妨害をかわしていくのですが、この動きが本当に美しい。

流石プロのバレエダンサーの動きを使っているということもあり、

1つ1つの動作が優雅で、それでいて高いアクション性を秘めています。

 

自分の操作するキャラクターが、

自分が動かしているとは思えない程芸術性の高いアクションをしていくため、

グラフィックの綺麗さと相まってあっという間に世界観に浸れてしまうでしょう。

 

トラウマの本質を描いた表現の数々

 

本作の敵は主人公の抱える「トラウマ」です。

幼少期の体験を通じて心の中に巣食うトラウマを、踊りによって昇華させていきます。

 

「トラウマ」「主人公の抱える恐怖」と言うと、

ホラーゲームのようなプレイヤーの精神を締め付けるような描写を想像する方がいるかもしれません。

 

しかし、本作はプレイヤーを怖がらせることを目的としたホラーゲームではないため、

怖くて先に進めない……というような表現は一切ありません。

 

そもそもトラウマというのは、抱えている本人にとっては大きな問題であっても、

本人以外には大したことはないケースがほとんどです。

 

トラウマを抱えているのはあくまで主人公であって、プレイヤーではない。

この齟齬を絶妙に表現しており、プレイヤーがトラウマを抱えていないからこそ、

主人公の心情を読み取れる場面がいくつか存在します。

 

人の抱える恐怖とはどんなものか。

トラウマを持つ主人公は、自身が抱えるトラウマとどう向き合っていくのか。

主観によって語られる恐怖の物語を是非体験してみてください。

 

絶妙なカメラワークによって酔うことない「酔わないVRゲーム」

 

 

PSVRゲームはまるで自分がVRゲームの世界にいるかのような没入感が最大の特徴であり、

それをウリにしているゲームです。

しかしあまりにもリアルにゲームの世界に入り込めてしまう反面、

その世界観に酔ってしまうことも少なくありません。

動きの激しいアクションゲームなどは特に問題視されていますね。

 

しかし、本作は主人公の優雅なモーションを映像の1つとして捉えていることで酔いが起きにくいのが特徴的です。

カメラは常にプレイヤーの動きを細かく追うわけではないのでカメラの動きが少なく、

視点が頻繁に変わることがありません。

 

視線が大きく動いていては、

せっかくプロのバレエダンサーの方を起用した細かいモーションが見にくくなりますからね。

 

最小限の動きで多くのグラフィックを映すカメラワークは、

世界観を堪能しつつ酔いが発生しにくい仕様となっているため、

VRをまだ体験したことがないという方にもオススメの酔わないPSVRゲームです。

 

意表を突いたプレイもできる、様々なやり込み要素


本作はストーリー自体はそう長くはないのですが、

非常に多くのやり込み要素を含んでおり、

遊びつくそうと思うとかなりの時間がかかります。

 

やり込みも意外な方向性のものが多く、

例えば「違う順番でステージをクリアする」

といったゲームの根幹を壊しかねないようなプレイスタイルがやり込み要素の1つとなっています。

 

これでトロフィーが貰えるので、公式公認の遊び方でもあるのですが。

 

他にも隠しステージの発見やアイテムの回収など、

ただトラウマを避けて進むだけではなく、

ステージを探索するといったアクションゲームらしい要素も多分に盛り込まれていますので、

ストーリーを堪能し終えたら是非ステージを隅々まで歩き回ってみてください。

 

 

バウンド:王国の欠片いかがでしたでしょうか。

 

ここまで紹介して要素は、

あまりにも一般的なアクションゲームとしての要素とかけ離れていたでしょう。

「主人公は妊婦」「襲い掛かるモンスターはトラウマ」「戦う武器は剣でも銃でもなくバレエ」。

 

これだけ聞くと、一体どんなゲームで何がしたいんだ、と思ってしまうかもしれません。

 

しかし、そんな少々突拍子のない設定の全てが、

物語を彩る大切な要素であったと少しずつ解明していくのです。

 

ストーリーを全て理解した時、これらの設定の1つ1つが

主人公の人生にとって欠かせない要素であったと分かることでしょう。

それだけストーリーも作り込まれています。

 

美しいグラッフィク、

優雅なモーション、

主人公がトラウマを少しずつ克服していく温かみのあるストーリー。

 

どれを取ってもオススメのPSVRゲームです。

値段も2,000円程度と手を出しやすい価格だと思うので、興味を持った方は是非遊んでみてください。